顔ぶれは大きく変わりながらもサッカーの質は維持
イバン・ペリシッチのハットトリックなどで、キエーボに5-0と快勝したインテル。シュートは30本、ポゼッション率は61%、敵陣内でのプレー率は73%と、内容も圧倒的だった。驚きだったのは、センターラインのメンバーの顔ぶれが多く変わりながらもサッカーの質が落ちなかったことだ。
マティアス・ベシーノが故障、ロベルト・ガリアルディーニが出場停止と、ここまでの好調を支えてきた2ボランチが揃って先発から外れ、さらにセンターバックはミランダの出場停止によりアンドレア・ラノッキアがインテルではほぼ1年ぶりに先発するという緊急事態。
これまでメンバーを固めて結果を出してきた彼らにとっては不安要素とも見られたが、拍子抜けするくらいのワンサイドゲームとなった。
ポイントは、メンバーが大きく入れ替わったその中盤にあった。ルチャーノ・スパレッティ監督は、以下のような構成に決めた。最近の試合ではトップ下でプレーをすることが多かったボルハ・バレーロを下げ、ジョアン・マリオと組ませる。これまで、途中交代でボランチに入ることも多かったマルセロ・ブロゾビッチはトップ下に上げた。この3人が、パスの組み立てとボール奪取の両方で良く機能した。
ボルハ・バレーロは中盤の底に位置し、DFラインからボールを引き出して組み立ての源泉となる。ジョアン・マリオはつなぎと推進の両方を担う。さらにブロゾビッチもそこに絡み、両サイドのスペースへ正確なパスを出して味方を走らせる。パスセンスのある3人はコンパクトな距離を保ち、パスを交換。臨機応変にポジションも入れ替えながら、ボールポゼッションを演出した。
さらにこの3人は、守備においても常にコンパクトな距離感を保った。ボールが相手に渡れば、2ボランチは常にDFラインの前に収縮し、ブロゾビッチはその前で相手のアンカーに精力的なプレースを掛けた。ジョアン・マリオのインターセプト数は5と、ミラン・シュクリニアルに次いで2位だった。