香川真司【写真:Getty Images】
ボルシア・ドルトムントのMF香川真司は現地時間2日、ブンデスリーガ第14節のレバークーゼン戦に途中出場した。勝利を逃した形のドルトムントだが、香川は前向きに考えている。
不振のドルトムントは30分に先制を許したが、41分にレバークーゼンが退場者を出した。その直後、ドルトムントはゴンサロ・カストロが負傷したため、香川がピッチに立っている。数的優位のドルトムントは73分に同点としたが、そのあとが続かず、勝ち点1の獲得にとどまった。
数的優位の状況で投入された香川は、「1人少ないので、どんどんボールを受けて、細かいスペースの中で打開策を見つけながらどんどんボールを呼び込めたら」という意識でピッチに入った。
結果については「負けなかったことをプラスに捉えていきたい」と香川。「次はチャンピンズリーグがあって時間はないので、しっかり切り替えて年内やりきるだけ」と語っている。
これでドルトムントはリーグ戦7試合勝利なし。負傷者もさらに増えた。だが、香川は「悪い流れというものがこういうところでも続いているというのを感じる。ただ試合は待ってくれないし。この流れを断ち切るのも僕ら自身ですし、ここを浮上させていくのも僕ら自身なので。それはみんなが経験していることなので、今さら慌てる必要もない」と冷静に述べている。
そして、復調の兆しも感じているという。
「(相手が)1人少ないのは大前提ですけど、ボールの回し方、距離感含めて、良いところがたくさんあったと思っている。個人的には、左から行けたシーンもあったんじゃないかなって思っているんで。それが最後結果につながるかつながらないかだけの話であって、そこは紙一重だと思っている。なので、悲観する必要はないですし、これをポジティブに、そして、次決めるという気持ちを持つことが一番大事になるのかなと思います」
11人対10人となった試合の勝ち点1をポジティブに考えるのは難しいが、香川は「まあ終わったことなんで」と切り替えている。「僕自身はネガティブになっていないですし、それを切り出したら後悔しかない。僕たちが全力でやった結果なので、受け入れるべきですし、次がすぐあるので」と前を見た。
次はチャンピオンズリーグのレアル・マドリー戦だ。ここまで2分け3敗のドルトムントは決勝トーナメントに進むことができない。
それでも香川は「僕自身は本当にやるだけやるっていうか、積極的にトライしたい」とここでも前向き。「勝っても負けてもほとんど意味がないんで、サンチャゴ・ベルナベウで、レアル。最高のシチュエーションですし、そのシチュエーションに対して、僕たちは勇気を持たないと最悪な結果に終わると思う。今のチーム状況を考えると、僕たちが相手をリスペクトしすぎると、おそらくボコボコにやられて、中身のないゲームになっちゃうので、どれだけ勇気を持って戦えるか。そのためにはまず僕がしっかり良い準備をして、最高のトライをしたいなと。それを自分に言い聞かせてやるだけです」と意欲を燃やしている。
「勝てなければ勝てないほど、プレッシャーはとてつもなくある」と香川。だからこそ、ポジティブな意識を持ち、チームの復調を担う一人となる覚悟だ。
「これを良い流れに持って行くのは自分ら次第。もちろんチームですけど、その流れを引き寄せるのもやっぱり一人ひとりだと思っているんで。その一人ひとりがたくさん増えれば、自然と僕たちは勝てると思うし、その一人になれるよう、自分自身は前を向いてレアル戦に臨みたいと思います」。
(取材:本田千尋【レバークーゼン】、文・構成:編集部)
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