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Jリーグ 7年前

福岡をPO決勝に導いた山瀬功治。何度も経験した大ケガ。ボランチという新境地【谷間の世代と呼ばれて】

シリーズ:「谷間の世代」と呼ばれて text by 元川悦子 photo by Getty Images

現役を続けられるのは「いろんな要求に応えられる選手」

「ケガをする前から多少のケアはしてましたけど、大きなケガを何度もして、体の状態を繊細なところまで突き詰めるようにはなりましたね。100%でプレーできる状況を作り上げることがある時期からの習慣になってきて、それが今のベースになっていると思います」と本人も言うが、年齢が上がるほどコンスタントにピッチに立てるようになってきた。

 横浜のラストシーズンだった2010年は33試合に出場。2011年に移籍した川崎フロンターレでも全34試合出場を果たしている。2013年に赴いた5チーム目の京都では4シーズン続けてレギュラーとして活躍。30代になって安定感を高めたのは間違いない。

「(イビチャ・)オシム(元日本代表監督)さんの頃、ポリバレントという言葉がクローズアップされましたけど、僕らの世代は使い勝手のいい選手が多いかもしれない。今、アビスパで一緒のサカティー(坂田大輔=33歳)もそうだけど、30歳を超えて、30代半ばまでピッチに立ち続けられているやつは、基本的に監督のいろんな要求に応えられる選手。

 若い時の経験があってそうなるのか、年を取っていろんな役割を覚えてきたのかは分かんないですけど、僕らの世代に関して言えば、もともとの素養がある人間が多いのかなと感じます。

 自分自身もかつては『10番タイプ』と見られていたかもしれないけど、どちらかというと『縁の下』というか、『自分にできることを最大限やろう』と考えるタイプだった。10番的な見方をされた時期は、目立つ部分のプレーが多かっただけ。

 環境もカテゴリーもいろいろ変わって、結果的にこういうサッカー人生になりましたけど、充実した毎日送るために一所懸命やってきた。その積み重ねが今につながっていると思います」と山瀬はしみじみと語る。

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