38勝2敗で監督交代となった理由
現役時代はサンフレッチェ広島でプレーした経験をもち、引退後は母国オランダでFCフローニンゲンの監督などを務めたピーター・ハウストラ監督を迎えた昨シーズン。福島県社会人リーグ2部を全勝で制するなど、いわきFCは公式戦で38勝2敗という結果を残した。
それでも11月23日になって、いわきFCはハウストラ監督の退任を発表。後任は田村雄三強化・スカウト本部長が兼任の形で就任し、自身も総監督に就いた経緯を大倉代表取締役はこう説明する。
「ハウストラ前監督を招聘したのは、広島でのプレー経験もあるし、魂の息吹くフットボールを作り上げたいとビジョンを掲げ話している中で想いが一致したからです。サッカーの監督はサッカーの時間を最重要視しますが、ピーターはストレングストレーニングの時間もたくさん使ってくれました。
選手の体は大きくなりましたしフィジカル的にも強くもなりましたが、魂の息吹くフットボールを作り上げていく上で求めていることにズレが起きてしまったことは事実です。
いまはいわきFCというクラブのカルチャーという土台を作る段階なので。ハウストラ前監督といろいろ話してきたなかで、お互いにちょっと上手く合意できない部分がありました」
後任監督を誰に任せるか。ドームの安田代表取締役CEOから就任を打診された大倉代表取締役は、日本サッカー協会が発行する公認指導者ライセンスをもっていない。何よりも現役引退後はスポーツビジネスの世界を志してきただけに、現場を預かることに興味はなかった。
「じゃあ誰がいいんだという話になったときに、魂が息吹く、90分間を通して足が止まらないフットボールを作る段階としては、僕とのつき合いが長く、価値観も同じの(田村)雄三が最も適任だと。現場のことを一番わかっているから選手たちへ寄り添えるし、雄三自身にも意欲があったので」