阿部勇樹は10年ぶりにACLの表彰台に登り、今回はキャプテンとしてトロフィーを掲げた【写真:Getty Images】
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝2ndレグが25日に行われ、浦和レッズはホームでサウジアラビアのアル・ヒラルに1-0で勝利。そして1stレグとの2戦合計スコアで2-1とし、10年ぶりのアジア制覇を成し遂げた。
キャプテンとして優勝トロフィーを最初に掲げた阿部勇樹は、しみじみと「嬉しかったですよ、やっぱり。みんなが喜んでいる顔が、スタンドの顔が見えるから。選手の笑顔もそうですけど、真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが一番響くので、それができて良かったかなと思います」と、10年ぶりの表彰台を振り返った。
「もちろん簡単な試合はひとつもなかったし、今日もそうですけど、自分たち、選手だけで戦っているわけでは決してなかった。レッズに携わっている方々もそうだし、多くのサポーターの方も一緒に戦ってくれたというのが、僕らもそうですし、見ていた皆さんもそういった雰囲気を感じ取ってくれたと思うので、それは非常に力強かったですね」
阿部の口から出たのは感謝の言葉ばかり。ベンチ入りできなかった選手たち、歓喜の舞台を作り上げたスタッフや裏方、そしてスタジアムに集まった5万7000人を超えるファン・サポーター、テレビの前から声援を送ってくれたファン・サポーター…ACL優勝でそういった全ての人々への感謝を口にする。
「本当に…すごくいっぱいだなって、そして綺麗だなって思ったので、毎試合これだけの方に入っていただきたいなというのは、正直ぜいたくな話かもしれない。けど、僕らはこの先しっかり戦って、進んでいけば、それも遠くない日に(毎試合満員になる日々が)訪れるんじゃないかな。それは僕らの責任でもあるし、使命でもあると思うので、頑張っていきたいと思います」
10年前も表彰台でアジア制覇の喜びを経験した36歳は、まだまだ先を見据えていた。
(取材・文:舩木渉)
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