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アジア 7年前

ぶれない男・槙野智章、“アンチ”も糧に心技体充実の時。「人生かけた闘い」、いざアジアの頂へ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

想いはチームの垣根を越えて…

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ぶれない姿勢でいざアジアの頂点へ【写真:Getty Images】

 インスタグラムのフォロワーは、いまでは27万人を超える。ただ、本業のサッカーで結果を出さなければ、厳しい意見がはね返ってくることも覚悟していた。そして、逃げようとも思わなかった。

「槙野智章という人間を介して、いろいろな人にサッカーをより広く知ってもらうための発信をしているつもりです。使い方や発信の仕方を間違えてしまえば自分が追い込まれる、あるいは自分がマイナスに見られても仕方のないツールでもありますけど」

 SNSに対してこんな思いを示していた槙野は、背中を押してくれるファンやサポーターと同じくらい、寄せられる批判の声を大事にしながらSNSを活用してきた。

「失敗している人間ほど説得力がある、と思うんです。数多くの失敗を積み重ねながら、それでもはい上がってきたからこそ、力強い言葉を発信できる。その意味では僕はいろいろなことにトライして、何度も何度も失敗して、さまざまなことを言われながらここまで来られた。

 自分に対してアンチ的な方々を含めて、見てくれる人がいるということは僕にとってはすごく幸せなだと逆に思っています。厳しい声をあげてくださるほど、自分もやってやろうと思えるので。もちろん『頑張れ』と言われるのも嬉しいですし、その度に『ありがとうございます』と返しています」

 ぶれない姿勢と、日本代表とレッズで残した結果も相まって、いまではインターネット上には熱いエールが飛び交っている。レッズのファンやサポーターだけではない。2008シーズンのガンバ大阪以来となるアジア制覇へ。チームの垣根を越えて、日本サッカー界を挙げて悲願が託されている。

 キックオフは午後7時15分。いつものようにポマードで髪を固めて臨戦態勢を整え、先頭を務めるキャプテンのDF阿部勇樹から順にハイタッチをかわしながら雄叫びをあげ、最後尾につくときには熱きハートと冷静沈着な思考回路を完璧な割合で同居させて、槙野は決戦のピッチに立つ。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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