タフな心で向き合うプレーとSNS。容赦ない声をも糧に
もっとも、槙野の長所は下を向き続けないタフな心にある。どんなに打ちのめされても、どんなに厳しい言葉を浴びせられても、歯を食いしばって食らいついてくる。実際、ハリルホジッチ監督の指導をこう受け止めていた。
「監督にとって自分は必要な選手なんだ、という期待の裏返しだと思って、僕自身も変わろう、成長しようと努力してきました」
日本代表でもセンターバックで招集されることもあれば、左サイドバック枠のときもあった。センターバックに対する指揮官の評価を劇的に高めたのは、9月27日の上海上港(中国)とのACL準決勝第1戦あたりだろうか。大会9ゴールをあげていた相手のエース、元ブラジル代表フッキと壮絶な「デュエル」を演じ続けた90分間は、槙野自身にも大きな自信を与えた。
インターネット上では、心ない批判にさらされることも少なくなかった。ハリルジャパンに招集されれば「なぜ?」と疑問の目を向けられ、レッズでのプレーも幾度となくやり玉にあげられた。
冒頭で記したインスタグラムを含めて、日本人選手のなかで誰よりもSNSを駆使していると自負している。もっともっとサッカーに興味をもってもらいたい、スタジアムに足を運んでほしいという思いから、サッカーに限らず、たとえば自身の私服姿も積極的に公開してきた。
【次ページ】想いはチームの垣根を越えて…