チラシ配りに出向いた選手が感じた悔しさ
チラシ配りには、高木大輔、田村直也、澤井直人、林昇吾、渡辺皓太といった選手たちが自主的に参加した。大事な試合を目前に控えていたため、希望しても許可が下りなかった選手もいる。
高木大は多摩センターの駅前で、「こんばんは、東京ヴェルディです!」とチラシを配った。高校生の男子は受け取ってくれたあとに「おれ、(FC)東京応援してんだよね」と聞こえよがしに言った。女子高生のふたり組は「こないだ味スタいった。FC東京の試合で」と明るい声で話した。
「悔しさはありますが、それが自分たちの現状なんだなと。僕らがチームを強くして、変えていくしかない。いまに見てろよ、という気持ちです」(高木大)
現在12位のFC東京も決して強いわけではなく、むしろあの戦力で何をどうやったらあんな無味乾燥なチームに仕上がるのか教えてほしいくらいだが、あちらはJ1だ。世界が違う。
昨季、一度もなかった1万人超えのホームゲームが2回あり、1試合平均入場者数は6206人と4年ぶりに6000人台に乗った。これを次につなげなければうそである。集客アップに向けた試み、サポーターと協力して取り組む施策に関しては、今年2月に開催されたラウンドテーブル(クラブとサポーターの意見交換会)の議事録公開が10月になるといった、てんでお話にならないところも依然として見受けられるが、実りは実りとして今後に生かしたい。