後任は国内から? 元仙台監督が候補に
いずれにしても、もう、ポスタコグルーはサッカルーズ(オーストラリア代表の愛称)のボスの座にはいない。その現実を噛みしめるとき、W杯まで既に半年を切っている状況下での停滞が、ロシアで世界に挑むサッカルーズに利することは何もないということに気付かねばならない。
早々に、気持ちを切り替えて、この6ヶ月の準備期間をどう過ごすのかを考えていく必要があるはずだが、FFAのギャロップCEOは「現在、サッカルーズには十分なスケジュール的ギャップ(筆者注:来年3月まで予定が入っている国際Aマッチはない)があるので、後任探しは急がない」と悠長な様子。本大会まで半年を切っている状況下では、急いだほうが良いに決まっているのだが…。
ポスタコグルーの去就が話題になって以来、特に22日の辞任会見以降、FFAには世界各地から自薦他薦問わず多くの履歴書が舞い込んでいるに違いない。“マスコミ辞令”では、カルロ・アンチェロッティやフース・ヒディングなど国外の大物の名前に、サム・アラーダイス、ハリー・レドナップ、トニー・ピュリスなどプレミアリーグ関連の名前が取りざたされている。しかし、正直言って、彼らの監督就任の可能性はかなり低いと思う。
後任を「W杯までの短期契約でポスタコグルー路線を継承する」として選ぶのか、「スタイルも含め一新して、新たな長期政権を立ち上げる」か、はたまた、その折衷案か。後継者の立ち位置をどう捉えるかで、候補者の選定は大きく変わってくるが、ここではギャロップCEOが「後任が再び国内となる可能性は否定しない」と発言しているのが大きな示唆となる。
上の2つの条件を考慮し、前者ではジョセップ・ゴンバウ、後者ではグラアム・アーノルドの名前を最適任として挙げたい。しかし、昨月まで豪州U-23代表監督とサッカルーズのアシスタント・コーチを務めていたスペイン人のゴンバウは、トルコに去ったトニー・ポポヴィッチの後釜としてウェスタンシドニー・ワンダラーズの監督に就任したばかりで、その目は薄い。
一方のアーノルドは、2017年は「スカイブルーの年」と言われたように、シドニーFCを率いて昨季のAリーグ(16/17シーズン)リーグ王者とファイナル(プレーオフ)王者に輝き、先週FFAカップも制して「3冠」を達成。現行のシーズン(17/18シーズン)でもリーグ首位を走るなど、国内での実績は十分で、2007年以来10年ぶりの代表監督就任の機は熟している。