JFAの提案に理解は示すも、Jクラブは8割が反対寄り
4つ目は「会場手配の問題」となる。J3までを含めたJクラブのほとんどが、行政所有の公共施設を試合会場として使用している。地域の陸上競技場として使用されているスタジアムも少なくなく、シーズンを移行した場合、行政年度をまたいで手配・確保することができるのかどうか。
昇降格とも関わってくるだけに、地域のスポーツ団体や学校との調整は決して簡単な作業ではないと藤村特命担当部長は指摘する。
「とりあえず先にJリーグで押さえたいというお願いを、地域との関係が上手くいっていればできるんでしょうけど。陸上競技場は場合によっては地域の学校の運動会にまでつながっている話なので、地域をあげてクラブに協力する関係性ができていなければ、使用調整のめどが立たないいのかなと」
最後の5つ目は「全Jクラブの意思」となる。Jリーグは全54クラブの実行委員に、シーズン移行に対するアンケート調査を実施。大半がJFAの提案に理解を示したうえで、藤村特命担当部長によれば「8割の方が反対よりの意見を寄せられた」という。
Jリーグ側では経営上のリスクや会場手配の問題などを、来月6日に開催されるJ3までを含めた合同実行委員会で再度議論するが、村井チェアマンは「もう(議論の)材料は出そろったという認識です」とも明言した。
JFAの田嶋会長は最終的にはJリーグの決定を尊重するというスタンスを取っている。さらに12月の理事会で現状維持もしくはシーズン移行のいずれに決まった場合でも、10年間はJリーグの開催シーズンに関する議論は行わないことも確認されている。
(取材・文:藤江直人)
【了】