企業の決算リズムとのズレ。スポンサー確保への不安
シーズン移行には、選手のパフォーマンスや試合の質が下がり、ひいてはサッカー観戦の魅力を損ねていると指摘されている、酷暑の時期の試合を減らすことも目的のひとつとなっている。
Jリーグ側では原博実副理事長が窓口となるかたちで、日本プロサッカー選手会(JPFA、高橋秀人会長/ヴィッセル神戸)とシーズン移行に関して意見交換を行った。JPFA側としてはシーズン移行よりも、天皇杯決勝が元日に行われることで、いっせいにオフに入れない点が懸念されたという。
5つの理由のうち2つ目は「育成の問題」となる。藤村特命担当部長が言う。
「Jリーグと日本サッカー界の将来的な発展を考えたときに一番大事なのは育成であり、その観点からすると、学校の年度と近い現状のシーズンのままのほうが、上手くいくのではないか」
3つ目は「移行に伴う経営上のリスク」となる。JFA側が示した通りに2022年から移行すれば、上半期に実質的な空白期間となる。前年からシーズンを継続させるのか、あるいは短期間の大会を創設するのか。その間にリーグおよびクラブとして、収益を確保できるのかという問題が生じる。
さらには各クラブとスポンサーシップを結ぶ企業のほとんどが、年度末決算をとっている点とも密接に関係してくると藤村特命担当部長は続ける。
「いまのJリーグのシーズンが企業の決算のリズムと合っているという点が、スポンサーとの関係のうえでは大きなプラスになっている。そこが半年ずれてしまえば、収益確保の点で不安な要素になってくるという声が多く出されている」