希望が見えた「前半」。久々に勝利の予感が…
希望は打ち砕かれた。
11月12日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)グループHの第5戦で、トッテナム・ホットスパーを迎え撃ったボルシア・ドルトムント。31分、流れるようなパスワークで先制に成功する。
左サイドで香川真司がユリアン・ヴァイグルから縦パスを受ける。香川はそのまま目の前に回り込むラファエル・ゲレイロに渡す。ポルトガル代表SBは右斜め前のアンドリー・ヤルモレンコに繋ぐ。ウクライナ代表FWが左足ダイレクトで落としたボールは、ペナルティエリア内に転がった。
ピエール=エメリク・オーバメヤンが裏に抜け出す。右足を振り抜くガボン代表FW。窮地にあえぐドルトムントに貴重な先制点をもたらした。望外のゴールが生まれたことで、歓喜に沸くジグナル・イドゥナ・パルク。
ペーター・ボス監督も「前半、我々は良くやった」と振り返る。
「コンパクトに守備をして、いくつかのチャンスを作り出したね」
マリオ・ゲッツェも同じ様子だ。
「前半は良かった。僕たちは1-0とリードした」
「前半」のドルトムントは、積極的にボールを回しながら、トッテナムのゴールに向かった。13分、ゲッツェからパスを受けたヤルモレンコが、ペナルティエリアの手前でハリー・ウィンクスをかわしてシュート。19分、ヤルモレンコが相手ディフェンスラインの裏に送ったボールに合わせ、オーバメヤンが抜け出してシュート。「幾つかのチャンスを作り出した」。
そして31分にスパーズからゴールを奪い、40分過ぎにはGKロマン・ビュルキも獅子奮迅のセービングを見せ、1-0のスコアで「前半」を終えたドルトムント。誰もが久しく忘れていた勝利の予感=希望は、後半が始まって間もなく、あっさりと打ち砕かれた。