“セックステープ事件”の嫌疑は晴れたが…
フランス代表の同僚だったマテュー・ヴァルブエナの『セックステープ事件』に関与していたとしてベンゼマは警察に召喚された。するとフランス・フットボール連盟のノエル・ル・グラエ会長は「法的な審査が行なわれている間は、カリム・ベンゼマはフランス代表には招集外とする」と発表。
事件が公になったのが2015年11月だから、もう丸2年、ベンゼマはフランス代表から遠ざかっていることになる。自国フランスで開催された昨年のユーロへの出場も叶わなかった。
この後放送されたドキュメンタリー番組によれば、2016年4月13日、マドリーにいたベンゼマのもとにデシャン監督から電話が入り、「2016年のユーロのメンバーには招集できない」と告げられたという。
しかし今年7月、裁判所は「積極的に“ゆすり”に関与したことは一切ない」というベンゼマ側の主張を認めて嫌疑は晴れた。よってフランス代表には招集可能な身分となり、8月下旬のW杯予選のメンバー発表の際は「ベンゼマ代表復帰なるか!」と注目が集まったが、デシャン監督の口から彼の名前が呼ばれることはなかった。
ベンゼマが番組で明かしたところによれば、それについてデシャン監督からの説明はなく、監督と直に話をしたのは、「ユーロに連れて行けない」と告げられた2016年4月の電話が最後だという。
この番組の放映はちょうど代表戦の期間中だったため、デシャン監督の会見ではさっそくベンゼマについての考えを求める質問が上がったが、監督は、「毎回、代表戦があるたびに私はこの質問を受けなくてはならないのだろうか? 私が現メンバーを選んだのは、それは彼らにその価値があるからで、この質問は、その彼らにとってもリスペクトを欠くことだ」と、ベンゼマについては触れずにもっともらしい回答でかわした。
しかし実際、デシャン監督の真意はどこにあるのかは、ベンゼマを含む皆が知りたいところだ。