進みつつある“対策に対する研究”。わずかながら好転の兆しが
ドルトムントは前半アディショナルタイムの48分にPKのチャンスを得て、アンドレ・シュールレが蹴って一度はGKに防がれたボールを、マキシミリアン・フィリップが押し込んで1点を返しはしたが、またも“対策”に屈することとなった。
ただ、これまでと少し違ったのは、香川ら中盤の3枚に、ポジションの流動性が生まれていたことだ。
香川が振り返る。
「ただ、彼(サンティアゴ・アスカシバル)以外のところはうまく抜けれればチャンスになっていたので、それを徹底して、後半、、前半、やれていたのでチャンスはたくさん生まれていたし。特に、今のチーム能力を考えたら、やっぱり特に中盤の選手がうまくマンツーマンで来てるんだったらどっかで数的優位を(作ってマークを)はがさなきゃいけないので、そういう意味ではもっと僕たちが推進力であったり、1対1の仕掛けというのは求められていたと思う。出せたところはありましたけど、チームとして」
つまり、ドルトムント側も、言わば“敵の対策に対する研究“が進んでいるのだ。
「試合をやりながらマンツーマンで来ていたので、相手を分析した中で中盤は3枚の時点でおそらくマンツーで詰めてくるだろうなと。過去の戦いを見ても、相手はハノーファー戦もマンツーで来ていた。そういうのを研究してきているんで、チーム状況的に、相手は。そういう戦いの中で、やっぱどう崩していくのか。まあでもチャンスはあったと思うし。この中でもやり続けていくしかないのかなと」
香川の言うように、前半は、相手のプレッシャーの中でも、右サイドをコンビネーションで攻め立てる部分があった。
代表ウィークが明けて、ドルトムントに、少しではあるが、変化の兆しがある。
“対策に対する研究”を進め、不用意な失点を避けて、次こそ勝利に繋げたいところだ。
(取材・文:本田千尋【シュトゥットガルト】)
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