決戦に向けた万全の準備。7万7000人のサポートも力に
サッカルーズは試合翌日、オーストラリア直行するチャーター便で帰路につき、試合3日前の日曜日(12日)の昼にシドニーに到着。通常のフライトを乗り継いでシドニーに試合前々日に降り立ったホンジュラスに比べ、リカバリー面で大きなアドバンテージを得た。
帰路の機中では、マッサージ台や最先端技術を駆使して時差ボケ軽減に利するアイマスクなどが設置され、選手の負担軽減に努める体制が取られるなど、ホームでの決戦に万全の準備で臨むことができたことは結果に大きく影響した。
過去を紐解くと、W杯予選の長い歴史で豪州は、1969年以来、今回までに6回のW杯出場をかけてのプレーオフを戦ってきた。その戦績は、実に7戦1勝6敗。唯一の勝利は“カイザースラウテルンの惨劇”が起きた2006年のドイツ大会の予選で、ウルグアイを2戦目のPKでねじ伏せての勝利だった。
そんな過去を知る豪州のフットボールファンは、さすがに生きるか死ぬかのホンジュラスとの第2戦の持つ意味合いを理解していた。水曜日(15日)、シドニー郊外のANZスタジアムを埋めたのは、これまでの不入りが嘘のような満員御礼の7万7060人の大観衆。
この日先発の1トップにはケーヒル。中盤の底をジェディナクが固め、ムーイと出場停止明けのミリガンがやや高い位置に並んで、1戦目のアーヴァインの役回りには、よりクリエイティブなトム・ロギッチを起用。左右のアウトサイドハーフには、右にレッキー、左にアジス・ベヒッチと現時点でのベストの組み合わせが配された。
試合は、ホームの大観衆の応援に押された豪州が優位に進める展開。とにかく前の試合以上にホンジュラスの選手の動きが重い。相手ボールに詰めないし、ルーズボールも追わない、いや、移動疲れで追えないのだろうか。豪州もそんな相手の歯ごたえのなさに合わせてしまったのか、どこか緩い雰囲気で特に見せ場もないままに前半が流れていった。