本田、香川、岡崎はあくまでオプション。それでも有用性は高い
つまりは守備陣はW杯最終予選を戦ってきたメンバーが、“ハリリジャパン”として初めて経験する世界トップレベルの強豪を相手に、どこまでやれて、何を得られるかの見極めが必要だった。攻撃陣はむしろ今から固定させることなくオプションの可能性を広げ最後に必要なチョイスができるようにしているのだろう。
欧州遠征に参加する日本代表メンバー発表の会見で、「なぜ彼らを外したのか?」という質問が出た時に前月の合宿での問題を先に話した後で「パフォーマンスが良ければ名前に関係なく招集する。オーガナイズ、システム、プラン、タクティクスチョイスで変わる」と語ったのだ。
当時、多くの記事はパフォーマンスの方に引っ張られる傾向が見られたが、その後にあげた4つの言葉にこそ、本田、香川、岡崎が外れた理由の大きなところがあるように思う。つまり彼らが決して見限られたわけではなく、今後も状態が良ければ呼ばれる選手であったとしても位置づけはオプションということだ。
それがファーストチョイスなのかセカンドチョイスなのかは他の候補との兼ね合いもあるが、ベースではなくオプションの選手であり、今回は別のオプションがテストも兼ねて優先されたということになる。
攻撃陣でも大迫勇也や原口元気はよりベースに近い存在として信頼されているように思われる。逆に言えば、彼らからオプションとしてのプラスアルファは見出しにくい。むしろ躍進のカギを握るのはどれだけ効果的なオプションを、「タクティクスチョイス」を想定して持てるかが、互角以上の実力の相手を打ち負かせるかどうかの大きなポイントになってくる。
前半の3失点から後半に何とか巻き返したものの、GKを変更し、全体的にもテンポをスローダウンさせたブラジルからセットプレーの1点しか取り返せなかったブラジル戦、良い守備から何度かチャンスを作りながらノーゴールで敗れたベルギー戦を総合的に見ても、本田、香川、岡崎は国際試合の経験値も含め、有用性が高いということは改めて認識されたはずだ。