冬の補強を望む指揮官。まずは再開初戦で勝利を
10月は対戦相手の“ドルトムント対策”も着々と進み、7試合をこなして1勝3分3敗と難しい時間を過ごした。だがそれも、ボス監督が就任1季目であることを考えれば、仕方のないところもあるのかもしれない。ミッドウィークにチャンピオンズリーグ(CL)やDFBポカールのある過密日程の中で、戦術を浸透させることは簡単ではない。代表ウィークに入ればまとまった時間は取れるが、主力のほとんどがいなくなってしまう。
前監督のトーマス・トゥヘルの場合、1季目はCLに比べてレベルの落ちるヨーロッパリーグ(EL)に参戦していたため、ELをチーム構築のために利用することができた。例えばアウェイ・ギリシャでのPAOK戦に、香川、イルカイ・ギュンドアン、マッツ・フンメルスら5人の主力を帯同させなかったこともある。
翻ってボスの場合、参戦するのはCLで、対戦するのはレアル・マドリー、トッテナム・ホットスパーといった欧州屈指の強豪たち。グループステージを通してチームの成熟を図る余裕があるはずもない。
オランダ人指揮官は、冬の移籍市場での選手補強を望んでいるという。具体的には、昨季率いたアヤックスで共闘したオランダ代表CBマタイス・デリフトと、カメルーン代表GKアンドレ・オナナのようだ。
また、チームをより屈強でアグレッシブにするMFの獲得も望んでおり、一部メディアでは候補者にリバプール所属のドイツ代表エムレ・チャンの名前も挙がっている。もちろん悠長にもしていられないが、“ドルトムントのボス化“は、もう少し時間を必要とするのかもしれない。
戦術的規律が整っているシュトゥットガルトは、今季ホームで無敗を継続中。簡単な相手ではないだろう。それでも久しく遠ざかっている勝利に、香川だけでなく、監督、チームメイト、ファン…ドルトムントの誰もが飢えているはずだ。
21日にはCLトッテナム戦、25日にはFCシャルケ04とのレヴィア・ダービーと重要な試合が続く。シュトゥットガルト戦を勝ち切って、今後に繋げたいところだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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