「ホントに全員が一瞬、気を抜いてしまった」
ブラジルに1-3で惨敗した10日のリールでのゲームから中3日。日本代表は14日、敵地・ブルージュでFIFAランキング5位・ベルギーに挑んだ。ブラジル戦でできなかった「前から守備に行く時、引いて守る時の判断をしっかりさせる」というテーマの下、選手たちは強豪に挑んだ。
「2日前(12日)の練習、雹(ひょう)が降った時ですね。あの時の練習があまりうまくいかなかった。あの晩と昨日のミーティングで選手同士意見をぶつけあって、今日の試合を迎えました」と槙野智章(浦和)は語気を強めた。
その結果、選手たちはブラジル戦で曖昧になっていた守備のメリハリが明確になった状態でゲームに入ることができた。
想定通りの3-4-3で挑んできたベルギー相手に、日本は前半から全員がコンパクトに連動しながらブロックを形成。デ・ブルイネ(マンチェスター・シティ)やロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)に個の力で脅威を与えられる場面もあったが、0-0で試合を折り返すことに成功する。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にとってもシナリオ通りの試合運びだった。
後半もその流れを持続し、後半15分を過ぎたところで森岡亮太(ワースラント・ベフェレン)、久保裕也(ヘント)のベルギーコンビを投入。攻撃のスイッチを入れるというのも思惑通りだったに違いない。
その好循環が一瞬にして崩れてしまったのが、後半27分の失点シーン。ここまで仕事らしい仕事をしていなかった左アウトサイドのシャドリ(ウェスト・ブロムウィッチ)がスルスルとドリブルを始めた際、対面にいた久保も、カバーに行った森岡、山口蛍(C大阪)も寄せが中途半端になった。
ペナルティエリア内に陣取っていた守備の要・吉田麻也(サウサンプトン)でさえもアッサリとかわされた。次の瞬間、クロスが入り、ファーからルカクが飛び込んでヘッド。与えてはいけないゴールを献上してしまった。
「ホントに全員が一瞬、気を抜いてしまった。誰か1人だけじゃなくて、中盤も後ろも気を緩めてしまったがゆえに、中に入られてしまった。本来なら外に外に追い込むべきだったと思うけど、クロスもすごくよかったですし、(ペナルティ)ボックスに入った後はノーチャンスだった。その前で止めるべきだったと思います」と長谷部誠(フランクフルト)に代わってキャプテンマークを巻いた背番号22は痛恨の決勝点を悔やんだ。