「この2試合を『しょうがない』と片付けてはいけない」
ーー残念ながら0-1のまま試合終了になってしまいました。90分間ご覧になった感想を聞かせてください。
「負けてしまったけれど、いいパフォーマンスだったと思います。とはいえいつもと同じ問題があった。日本は点を取れないね。ベルギーのようなレベルの相手になると、少ないチャンスをしっかりと活かさなければ負ける。今日もまた学んだけれど、日本はすでにそれをよく知っていたんじゃないかな。『いい経験』や『学べた』というようなことを言うのは簡単。でも、足りないのは確かで、弱いところを改善しないといけない。今日の失点シーンは許せるものではないけれど、一番残念なのは決定力だよね。シュートとラストパス、この部分をW杯の前に改善できなければ、ロシアでいい結果を残せないのは当然だと思う」
ーーハリルホジッチ監督は試合直後のインタビューで「負けるに値しない試合だった」と言っていましたね。このベルギーとの試合で得たポジティブな収穫は何でしょうか?
「日本はベルギーとアウェイで五分の勝負ができた。守備は失点した場面以外、安定していたと思う。そしてボールを持った時に、自信が見られた。サイドバックもよく攻め上がって、長澤も非常にいいデビューだった。今後も同じようなパフォーマンスを見せて欲しいね。彼が日本代表に定着するは決定的な貢献が重要になる。つまりアシストとゴールのこと。香川真司や本田圭佑がどうなるかわからないけれど、“10番”の選手はゴールとアシストでチームに貢献しなくてはいけない。ゴールやアシストがなければ仕事をしていない、ということになる」
ーー今回の欧州遠征は日本代表の現在地を知ることができました。ショーンさんはこの遠征の意味をどう考えていますか?
「日本のレベルや得意なこと、不得意なことはだいたいわかっていたんじゃない? サッカーは『足りないことがわかった』だけじゃダメで、弱いところを除いていかなければいけない。もちろんブラジルやベルギーは日本より強いけれど、この2試合を『しょうがない』と片付けてはいけないと思う。W杯では彼らのような相手と戦わなければいけないし、それに勝たなければいけない。だからこそ『いい経験でした』というだけではダメなんだよ。この経験から学びがなければ意味がない」