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Jリーグ 7年前

長崎、消滅の危機乗り越えJ1自動昇格。高木監督と高田社長が目指した一体感の構築

text by 藤原裕久 photo by Getty Images

これ以上ない展開で達成したJ1自動昇格

チーム最古参の前田悠佑がJ1昇格を手繰り寄せる決勝点。長崎としてはこれ以上ない展開となった
チーム最古参の前田悠佑がJ1昇格を手繰り寄せる決勝点。長崎としてはこれ以上ない展開となった【写真:Getty Images】

 高田社長と高木監督。別々のアプローチから一体感の構築を目指した2人の取り組みは、最終節に結実を迎えた。

 過去最多22,407人の観客が詰めかけたスタジアムで、選手たちは落ち着いたプレーを披露し、乾大知の先制ゴール後、一度は追いつかれながらもチーム最古参の前田悠佑が勝ち越しゴールを決めて、大卒ルーキーの翁長聖がダメ押し弾を叩き込むという、これ以上ない展開でJ1自動昇格を達成したのである。

 22,407の笑顔に囲まれたセレモニーで、高田社長は昇格について「多くの皆さんの力の結晶」と語り、「チームが出来上がって十数年。たくさんの方がいて今があることを忘れずにいきましょう。何事も1人の力ではできません。先人の努力、そしてここにいる皆さまの努力、全ての皆さまの成果であることを大事にしましょう」とあらためて一体感の必要性を訴えた。

 その後にあいさつをした高木監督もクラブの前身である有明クラブからの歴史へ感謝を述べながら、J1昇格を達成した選手たちに向かい「ありがとう」と感謝の言葉を送った。誰も己の手柄と誇らない。誰も己の力と奢らない、そんなセレモニーで昇格の夜はふけていった。

 昇格決定から二日後、少しだけ高木監督と話をする機会があった。昇格について「みんなが報われて良かったよ」と語った監督は、こう続けた。

「あと1つ、勝ちにいくよ、それで勝点が目標の80。俺は完璧主義者だから(笑)」

 そう、まだリーグ戦は終わってはいない。最終節でも、みんなを一つにする戦いを見せること……それは長崎が最後までブレずにやるべきことなのだ。まだ挑戦は終わっていない。

(取材・文:藤原裕久【長崎】)

【了】

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