ベルギー代表、攻撃面でも危険な3バックのスキル
日本代表の欧州遠征2試合目、相手はベルギー。最新のFIFAランキングは5位で、ドイツや先日1-3で敗れたブラジルと並び、ロシアW杯の組み合わせ抽選会でポット1に入ることが確定している強豪だ。4年前には3-2で日本が勝利しているが、ブラジルW杯本大会ではベスト8に進出した。一方の日本の結果は知っての通りだ。
もともと高い個人能力を持つタレント集団に、スペイン人のロベルト・マルティネス監督が組織的なパスサッカーを植えつけている現在のチームには、ブラジルW杯当時20歳だったロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)や22歳だったエデン・アザール(チェルシー)など4年間で大きく成長した選手も多くいる。25歳のGKティボ・クルトワ(チェルシー)や20歳のMFユーリ・ティーレマンス(モナコ)なども主力として台頭した。
「ベルギーは(ブラジルとは)また違うチームだ。どちらかというとパワー系のチーム」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督が説明したように、局面でのパワフルでスピーディーな仕掛けで圧力をかけ、ミドルシュートやクロスに合わせるフィニッシュなどでゴールを狙ってくる。
様々なタイプのアタッカーを揃える前線は注目だが、大きな特徴は3バックが最終ラインを固め、攻撃の組み立ての起点として機能していることだ。現在はヴァンサン・コンパニ、トビー・アルデルヴァイレルトを怪我で欠き、ヤン・フェルトンゲンも欠場した10日のメキシコ戦では、トーマス・ヴェルメーレン(バルセロナ)、デドリック・ボヤタ(セルティック)、ローラン・シマン(モントリオール・インパクト)の3人が並ぶ布陣が基本となった。
屈強な対人能力を誇る3人のCBはデュエルの権化のような猛者たちだが、メキシコ戦ではハビエル・エルナンデス(ウェストハム)のスピードやイルビング・ロサーノ(PSV)の柔軟な仕掛けに苦しみ、何度も合間に入り込まれる形でチャンスを作られ3失点を喫した。