練習中に雹が降る。重要なセッションが打ち切りに
FIFAランキング2位の強豪に大きな実力差を突きつけられた10日のブラジル戦(リール)から2日が経過した12日。日本代表は14日のベルギー戦の会場であるブルージュへ移動し、現地での初練習に臨んだ。
この日は暴風雨と晴れ間が交互にやってくる天気。夕方には雹(ひょう)が降り、紅白戦途中で練習が打ち切りになるアクシデントも発生した。「ビブスの色も見えなかったし、最後の雹はムチャクチャ痛かった。プレーを続けるのが難しかった」と長友佑都(インテル)も苦笑いするような“アウェイの洗礼”だった。
結局、わずか30分程度の紅白戦になってしまったが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は主力組にGK川島永嗣(メス)、DF(右から)酒井宏樹(マルセイユ)、吉田麻也(サウサンプトン)、槙野智章(浦和)、長友、アンカー・山口蛍(C大阪)、右インサイドハーフ・長澤和輝(浦和)、左インサイドハーフ・井手口陽介(G大阪)、右FW浅野拓磨(シュトゥットガルト)、左FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)、1トップ・大迫勇也(ケルン)というメンバーを配置した。
3-4-3に並んだサブ組を仮想ベルギーとして、守備戦術の確認に時間を割いた。ブラジル戦も長澤を主力組でトライして、最終的には井手口にスイッチしたように、本当にベルギー戦の先発がこの通りかどうかは未知数だが、この陣容がベースになることは間違いないだろう。
とはいえ、山口が「今日の練習ではほとんどハマらなかった」と語ったように、本番を2日後に控えた実戦練習でボールの奪いどころが明確にならなかったことは見逃せない問題だ。守備リーダーの吉田も同じ課題を実感している。「こういう強い相手(ベルギー)に対して、そんなうやむやな状態で戦ったら絶対に勝てない。(日本の)メンツ的にもポゼッションを捨ててブロックを作ってカウンターってところに全てを費やしているのに、それ自体が崩れてしまうと一番よくない」と発言。ハリルホジッチ監督のスタイルが根底から崩れかねない危機感を覚えていた様子だ。