個性派揃いのベルギー代表。W杯欧州予選は最速突破
ロシアW杯出場を決めているベルギーは、新しいユニホームで11月10日、メキシコとの親善試合を戦った。特徴的なのは、胸に織り込まれたダイヤ模様だ。1984年フランス欧州選手権に出場した際のユニフォームに似せた「レトロユニホーム」としてデザインされた。
このユニフォームの情報が事前に漏れた時、ベルギーの人々は「あ、86年のユニホームと同じだ」と勘違いした。今から30年以上前、メキシコの地でベルギーはW杯3位という偉業を成し遂げたのだ。メキシコから凱旋したチームを讃えるため、ブリュッセルのグランプラス広場にベルギー国民が殺到したのは今もなお語り草だ。夢よもう一度――そう、ベルギー人は現在の代表チームに希望を託している。
メキシコW杯の時のベルギー代表は、3位でグループリーグを勝ち上がったことからも分かるように、大会のアウトサイダー的存在だった。試合の運び方も、しっかり守って鋭くカウンターで攻めきるというスタイルだった。
しかし、今のベルギー代表に対する期待値は大会前から高い。何しろ、ヨーロッパ内でロシアW杯予選突破を最速で決め、さらに予選10試合で決めたゴール総数はドイツと並ぶ43。この数字は、2000年欧州選手権予選でスペインが作った42ゴールの記録を更新するものだった。現在のベルギーは、試合のイニシアチブを握って、攻撃的に戦う集団へとチームカラーがガラリと変わってしまった。
爆発的な攻撃力を武器とするだけに、とりわけ中盤とFWは人材の宝庫だ。ケビン・デ・ブライネ、ドリース・メルテンス、エデン・アザール、ロメル・ルカク、マルアン・フェライニ、アクセル・ヴィツェル、ムサ・デンベレ……。いずれも高い実力を誇り、個性の強い実力者たちが揃う。