現体制でわずか4失点。組織守備を身につけたブラジル
「ボールを奪ったら何をすべきかを完璧に説明している」
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は現在の世界最強国とリスペクトする相手にも本気で勝ちにいくための準備をしている。つまり点を取るということだ。日本代表は10日、フランス・リールでブラジル代表と対戦する。
直近の直接対決3試合で11失点してきた相手に守備の部分がフォーカスされるが、実はその3試合で一度もゴールを挙げられていない。現在のブラジル代表には国内随一の名将との声も名高いチッチ監督が組織的な守備を植えつけ、彼の就任後15試合で4失点しかしていないことも見逃せない。
その相手に対し、タイトな守備でボールを奪い、そこからいかに効率よくチャンスを作りゴールを仕留めるか。指揮官は「ボールを奪った時にどう動くか。どこにつないで誰に出すか。背後なのか」を選手に伝えたと言うが、最も有効な武器となりうるのが左サイドで原口元気が前を向き、カットインから中に入り込んでいく形だ。
「ボールを取った時にどれだけ落ち着けるか、そこはブンデスでやっていて、バイエルンとかとやる時には1つのポイントだと思っているので、バイエルンとかとやるイメージで僕はやるつもりです」
そう語る原口は合宿2日目にハリルホジッチ監督から直接指導を受けて左サイドからのカットインを練習していた。そこではドリブルで運び切るパターンと中の選手にグラウンダーのパスをつけ、素早くリターンを受けて加速するパターンに取り組んでいた。その相手は主に大迫勇也になるだろう。
「時間をかけて攻めたらやっぱり能力の高い選手が多いので、相手も、守備能力の高い選手が多いから、そこは厳しいとみんなで話して、そこは本当に効率良く」
そう語る大迫がチアゴ・シウバやジェメルソンを背負いながらシンプルにパスを返し、ボールを受けた原口が一瞬のスペースを逃さずにバイタルエリアを突いていけば、対人能力に自信を持つ相手CBにも十分な対応をさせずにフィニッシュまで持ち込むことができるはずだ。