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日本代表 7年前

長友佑都が胸に刻む「危機感」。ブラジル戦で日本代表100試合、絶望から這い上がった男の矜持

text by 元川悦子 photo by Getty Images

這い上がった長友。心には危機感「ホントの強豪にはまだまだ遠い」

長友佑都
長友佑都の記憶に刻まれているのはブラジルW杯のコロンビア戦での惨敗だ【写真:Getty Images】

 2015年アジアカップ(オーストラリア)でも「ブラジルW杯を踏まえて、ロシアまでの4年間をどう成長していくか」と記者会見の場で聞かれて答えに詰まり、固まってしまう状態に陥ったことがあった。ハリルホジッチ監督は「私が来た時の日本は失望し、野心もない状態だった」と語ったが、その象徴的な存在が背番号5だったと言える。

 そんな絶望の淵から2年半という時間をかけて何とか這い上がり、ロシアで日本を成功へと導こうとしている長友。その強い意思を自身4度目となるブラジル戦でしっかりと示さなければならない。

「僕のようなレベルで代表100試合を戦ってるっていうのは、やっぱり危機感があるかなと。それを持たなきゃならないと。だって僕、ブラジルなら試合に出れないですよ。日本のサイドバックにもっとビッグクラブで活躍する選手が出てこないと世界では勝てない。そんなに甘くないですよ。若くイキのいい選手が出てくるのを僕自身も待ってる。ホントの強豪にはまだまだ遠いんですよ」

 その言葉を若い世代の選手たちはどう受け止めるだろうか。いずれにしても、長友が誰よりもハードワークし、デュエルの強さを見せ、ウィリアンを筆頭にブラジルのスーパータレントたちと互角以上に渡り合う姿を見れば、「もっとやらなければいけない」と考える若手が増えるはず。

 そういう前向きな相乗効果がチームにもたらされ、過去のブラジル戦とは一味違った戦いになれば、最高のシナリオである。いずれにしても、長友佑都という選手の一挙手一投足がこの大一番、そしてロシアに向かう日本代表に与える影響は凄まじく大きい。彼の真価が問われるのはまさに今だ。

(取材・文:元川悦子【リール】)

【了】

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