「僕自身もインテルでやってるプライドがある」
2018年ロシアW杯本番まで7ヶ月。いよいよ現時点でのチームの実力を測る数少ない機会、ブラジル戦(リール)の当日を迎えた。
5日から現地フランスで調整を行ってきた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、9日の前日記者会見で「ブラジルは現時点で世界で一番強いチーム」と強調。そのうえで「私は負けるための準備したことはない。このような相手に10回のうち1回は成功するかもしれない。リアリストになって守備のところを完璧にやって、チャンスを逃さないことが大事になる」と下剋上のシナリオを口にした。
2018年ロシアW杯南米予選で圧倒的な強さを見せ、早々と切符をつかんだブラジルのチッチ監督は前日のうちに先発を予告。売り出し中のガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)を1トップに据え、右にウィリアン(チェルシー)、左にネイマール(PSG)という強力3トップで挑んでくることを明言した。ブラジルは2012、2013、2014年の日本との直近3試合で合計11得点を積み上げているが、うち6点を叩き出したのはネイマールだった。
これら全試合に帯同している長友佑都(インテル)は「やっぱりまずは守備じゃないですか。チームとしてあのブラジル相手にどれだけ守れるかが大事。前から行く時は前の選手がスイッチを入れるけど、後ろが行けない時は僕らが声をかけなきゃいけない。どんどん声をかけていかないと難しくなりますね」とあくまで守備第一で挑むことを強調した。
奇しくもこのゲームは、長友にとって2008年5月のコートジボワール戦(豊田)で代表デビューしてから100試合目のメモリアルゲーム。本人は「普段と変わらない」と平常心を強調するが、その相手がブラジルだけに、特別なモチベーションが湧いてきて当然だ。
しかも、対面に位置するのがウィリアン(チェルシー)となれば、過去にテオ・ウォルコット(アーセナル)やアリエン・ロッベン(バイエルン)をつぶしてきたエースキラーの胸が高鳴らないはずがない。
「今年のプレシーズンマッチでチェルシーとやって、ウィリアンとはマッチアップしている。彼の特徴もスピード感も自分の中では理解しているつもり。やっぱりすごいスピードがあったのは身に染みて覚えています。ただ、僕自身もセリエA・インテルでやってるプライドってものがある。負けたくない気持ちは強い。自分の間合いで勝負できることが一番大事だと思います」と彼は語気を強めた。