3試合で勝ち点1の惨敗。「4年間何をしてきたんだろう」
初戦を落とした日本は、3試合で勝ち点1しか取れずに敗退する。一方で長く日本代表から離れていた大久保は、残り2試合をスタメンで戦い抜いた。
「ザックさんは泣きながら一人ひとりと別れの握手をして回るんですが“おまえをもっと早く呼んでおけば良かった”と言われました」
2つの大会で7試合を戦ってみて、まったく太刀打ちできないと感じた相手はひとつもなかった。
「これはスペインでも感じたことですが、外国人は勝負に対する気持ちや狡猾さが小さい頃から染みついている。そこが大事な試合で、僅差の明暗を分けるのかな、と思いますね」
南アフリカ大会から4年間、ずっと考えて言い続けて来たことがある。
「僕は2006年ドイツ大会以降しか知らないですけど、日本はワールドカップが開かれる4年ごとに方向性が変わるので、どんなサッカーをするのか判らないですよね。
結局ブラジル大会の前にも、チーム内で4年前と同じような論争が起こった。でも今度はまとまりませんでした。いったい4年間何をしてきたんだろう、成長していないじゃないか、と感じました。
個人的に、理想はチリです。みんなでよく走って攻守にハードワークをする。それを継続していけば、日本人は規律も守るし、俊敏性も活きる。かなりいいところまでいけるようになると思うんですよ」
2つのワールドカップに対照的なアプローチで臨んだ貴重な体験者ならではの声だった。
(取材・文:加部究)
※全文は『フットボール批評issue18』本誌でお楽しみください。
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