フットボールチャンネル

日本代表 7年前

大久保嘉人の回想。日本代表、W杯での成功と失敗。過去2大会の対照的な経験

text by 加部究 photo by Shinya Tanaka, Getty Images

ブラジル大会でのサプライズ選出。「絶対に入らないと思っていました」

2014年のブラジルW杯ではサプライズ選出でメンバー入り。結局全3試合に出場した
2014年のブラジルW杯ではサプライズ選出でメンバー入り。結局全3試合に出場した【写真:Getty Images】

 南アフリカワールドカップを終えると、日本代表監督にはアルベルト・ザッケローニが就任するが、イタリア人指揮官が3年間で大久保を使ったのは1試合だけだった。しかしブラジルワールドカップが近づくと、川崎への移籍1年目から2年連続得点王の大久保を、日本代表に待望する声が日に日に高まった。

「絶対に入らないと思っていましたからね。かなりのサプライズでした」

 大久保は、土壇場で2度目のワールドカップに滑り込む。ただし逆にザッケローニ監督の方が、大久保の適性を把握し切れていない様子だった。本大会開幕のコートジボワール戦後半、大久保が交代出場のために呼ばれたのは1-0でリードしている場面だった。だが同点に追いつかれ、指揮官がカードを切るのを躊躇している間に逆転された。

「相手が(ディディエ)ドログバを出して来た時に、ザックさんもここをどう乗り越えていくのか困惑したと思います。そこで逆転され、すっかり動揺しまっていた。とにかくゴールに向かってくれ、と送り出されました」

 大久保はワントップとしてピッチに立つが、すぐに方針は変更され、本田がトップに上がり、香川真司が左からトップ下へ移行し、大久保は左サイドに回った。

「この試合も序盤は良かったと思うんです。でも徐々に動きが落ちてプレッシャーをかけに行けなくなり、まずいなと思いながら見ていました。逆転負けなので、精神的にもダメージは大きかったですね」

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!