ベルギー戦展望。インサイドから始まる攻撃への対処を
欧州遠征に向けた日本代表メンバー発表の記者会見で、ハリルホジッチ監督はブラジル戦とベルギー戦について「全く違う、2つのオーガナイズになってくる」と語っていた。庄司氏によれば、確かにブラジルとベルギーでは攻撃の仕方が違っていて、別のアプローチが必要になるという。
「ベルギーはブラジルと違って、中盤中央にいる選手へ積極的にボールを入れてきます。そこでプレーするデ・ブルイネがキーになっていて、ベルギーの直近4試合のうち彼が先発出場した3試合におけるパス受けのデータを見ますと、やはり数字が大きくなっています。
通常ここでボールを失うのは危険なのでリスクがあるパスコースになるのですが、デ・ブルイネのレベルにもなると困難な状況でも突破できてしまうので、そこで得られるリターンのほうを取るというアプローチなのだと思います。ここがベルギーの強みになっている。
では彼に誰がボールを入れるのか。圧勝したジブラルタル戦を別にすると、3バックの両側にいる2人です。つまりヴェルトンゲンとアルデルヴァイレルト(今回は負傷により不在)です。アザールとのパス交換も多いですが、組み立て時にデ・ブルイネへボールを入れるのはこの2人が多いです
ブラジルが外からのアプローチをしていたのに対し、ベルギーは内側から攻撃のスイッチを入れるというイメージ。アトレティコ・マドリーではFWやサイドMFでプレーしているカラスコ(今回は招集外)をウイングバックに配置していることもあるので、サイド攻撃も重視しているのだとは思いますが、主な攻撃ルートとしては外側から中央にいる選手に串刺し的にボールを入れて、そこから展開するという感じだと思います。
日本としてはまず出し手のところをウイングがケアして良いパスを出させないようにしたい。そしてボールがデ・ブルイネのところに入ってきたときには中盤の3枚が厳しくアプローチする必要がありますね。ベルギー戦はまずここがポイントになりそうです」
庄司氏は「ブラジルとベルギー、どちらも強豪ですが特徴は全然違っている。良いマッチメイクができたと思いますよ」とも語っていた。日本代表はロシアW杯本大会を見据えた戦い方で挑むであろう今回の欧州遠征から、どのような収穫を得ることができるだろうか。
(分析:庄司悟/取材・文:中山佑輔/データ:STATS社調べ、共同通信デジタル提供)
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