ハリルが目指すコンセプト。優先順位が高くない本田、香川ら
10月31日、11月10日のブラジル戦(リール/フランス)、同14日のベルギー戦(ブルージュ/ベルギー)に向けた日本代表メンバーが発表された。初招集となったMF長澤和輝(浦和レッズ)、3年ぶりの代表復帰となった森岡亮太(ベフェレン/ベルギー1部)に期待が集まるいっぽう、招集外になった選手の顔触れにも注目が集まった。
10月の代表ウィークでは本田圭佑、岡崎慎司、長谷部誠がメンバー外となっていたが、今回の選手リストには長谷部が再び名を連ね、本田、岡崎のほか香川真司の名前がなかった。これまで長きにわたって日本代表を支えてきた面々が負傷以外で招集されないということには驚きの声も聞かれている。だがデータアナリストの庄司悟氏は「それほど驚くべきことではなかった」と語る。
「ハリルホジッチ監督はメンバー発表時の記者会見で『パフォーマンスが良ければ、名前がどうであれ関係ない。ただ、みんなのことはリスペクトしている。グラウンド上で判断している。あとはオーガナイズ、システム、ゲームプランによって(起用する選手が)変わる。それからタクティクスチョイスで誰が合うのだろうというのもある』と言っていました。
W杯アジア最終予選でのオーストラリアとの2戦(ホームとアウェイ)、9月6日のサウジアラビア戦、10月のニュージーランド戦、ハイチ戦ではハリルホジッチ監督がW杯本大会に向けて落とし込もうとしているコンセプトが明確に出ていました。そのコンセプトを実現するためには、現状だと本田、香川、岡崎といった面々を起用する優先順位が高くないということなのだと思います。
今のサッカーはボールポゼッションをしながら中盤中央でボールをひっかけられると、非常に危ないシーンを作られます。もちろんその真ん中でボールを受けて打開できるハイレベルな選手を揃えていればそうしたサッカーも可能ですが、まだ日本はそのレベルには到達していない。奪われてカウンターをくらうリスクのほうが大きいです。いっぽうで中央を破られると大ピンチを作られるのが怖いのと、逆にそこで奪えばチャンスになるので、そのポジションには守備面で高い強度が求められます。そう考えると、香川を置くことが難しいんです」