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Jリーグ 7年前

鹿島V字回復のキーマン三竿健斗。常勝軍団の心臓部託された21歳ボランチの献身

text by 藤江直人 photo by Getty Images

年齢には不釣り合いなほど落ち着き払った立ち居振る舞い

札幌戦ではJ1初ゴールを決めた
札幌戦ではJ1初ゴールを決めた【写真:Getty Images】

 181センチの長身はレオ・シルバと並び、173センチの小笠原と永木を大きく上回っている。最終ラインの前で発揮される対人の強さ、空中戦でボールをはね返す力が、大岩監督のなかで描かれていたボランチの序列を変更させたのだろう。

 年齢には不釣り合いなほどに、落ち着き払った立ち居振る舞いをピッチ内だけでなく外でも見せる三竿は、出場時間が増えるなかで自分自身の変化を感じ取っている。

「以前よりも駆け引きをして、ボールを奪う回数が増えてきていると思う。意図をもった守備ができているからこそ、綺麗に奪うことが多くなっているのかなと。周囲との関係がよくなってきたことももちろんありますけど、個人戦術の部分でも守備力が上がってきているんじゃないかと」

 カシマサッカースタジアムにレッズを迎えた5日の一戦では、ハリルジャパンに初選出されたインサイドハーフの長澤和輝がボールをもち運んでくればすぐに間合いを詰めた。自らの存在を常に長澤に意識させることでホープに決定的な仕事をさせず、レオ・シルバとのコンビネーションで柏木陽介も封じ込めた。

 結果として昌子源や植田が最も警戒していた、20ゴールで得点ランキングのトップを走る日本代表FW興梠慎三を孤立させ、レッズの攻撃を手詰まりにさせた。守備面で深まりつつある手応えは、自ら課題としてあげてきた攻撃面にも相乗効果を及ぼしている。

 敵地で北海道コンサドーレ札幌を下した10月29日の明治安田生命J1リーグ第31節では、後半開始早々に先制点となる待望のJ1初ゴールをゲット。ペナルティーエリア内に積極的に顔を出し、こぼれ球に対して迷うことなく右足を振り抜いた。

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