日本代表にインテルでの好調ぶりを還元できるか
もっともそれだけ良いプレーをしながら、先制点をイアゴ・ファルケに決められてしまうというのも悔しいところだった。
その60分の失点シーンだが、長友がイアゴ・ファルケに抜かれた末に決められたという類のものではなかった。選手間の間で意思疎通がうまく行かず、相手の右SBロレンツォ・デ・シルベストリがフリーでオーバーラップをしてきた。
そこに長友がスイッチをすると、中へとしぼったイアゴ・ファルケの動きを他に見るものはなく、フリーになってしまう。あとはミランダが抜かれて、ミドルシュートをねじ込まれたという始末だ。
直接失点に絡んだとは言えない状況だったが、結果的にイアゴ・ファルケがゴールを決めてしまったということで地元紙の評価は多少辛くなるだろう。プレー内容としては悪くなく、少なくとも前節エラス・ヴェローナ戦前半の乱調よりは遥かに良くなっていた。それだけに、勝利に結びつかなかったのが残念だ。
その後も長友はプレーするが、終盤にシステムを3-5-2に変更することを決めたスパレッティ監督の決断によってベンチに下がった。その際スタンドからは温かい拍手が上がっていたが、選手本人の気持ちとしてはやはりチームを勝たせたかったところだろう。
ここからは代表ウィーク。今までの好調ぶりを日本代表にも還元すると共に、所属のインテルに戻ってくる際も良いムードを持って帰ってほしいものである。
(取材・文:神尾光臣【イタリア】)
【了】