長友は好守ともにコンスタントな仕事をこなす
これまでの戦いでサッカーの内容でも向上を見せ、ワンタッチでパスを回して相手を翻弄するようなプレーも見せていたインテルだが、それが阻害された。球際の激しさの前に中盤はたじろぎ、ボルハ・バレーロにボールを預けようとするとあっという間に囲まれた。こういう中でパスミスも連発し、インテルは思うように攻撃の組み立てができなくなっていた。
一方左サイドバックの長友には、トリノの右ウイングであるイアゴ・ファルケがマッチアップしていた。スピードと裏への飛び出しに長けるサイドアタッカーだが、長友自身は堅実な対応ができていた。
イアゴ・ファルケが裏を狙おうとすれば、先んじてカバーに入りスペースを消す。後方でボールを繋ごうとした際に相手がプレスを掛けてきても、冷静にボールの前に体を入れながらキープし味方に回す。空中戦で上を狙われない限り、ボールを自分の背後に通させてはいなかった。
また今回は、攻撃面でもコンスタントに仕事ができていた。イアゴ・ファルケがカバーするよりも早く、前線に走る。6分にイバン・ペリシッチとのパス交換からグラウンダーでクロスを入れ、これがボルハ・バレーロのスルーを経てマウロ・イカルディへと渡る。
16分にはサイドでDFを縦に抜いて左足でクロスを挙げた。36分には左足で裏のスペースへ縦パスを放ち、ペリシッチを走らせるという最近得意のプレーでチャンスを作っていた。
中でも、後半立ち上がり早々49分のプレーは実に惜しいものだった。左サイドでボールをキープすると、イアゴ・ファルケがプレスを掛けてくる。それを軽快なボールコントロールでかわして中へ切り込み、右足でアーリークロスを上げる。これが、前線に飛び出していたマティアス・ベシーノの頭を正確に捉えた。
残念ながら、彼のヘディングシュートはトリノGKサルバトーレ・シリグの好セーブに阻まれることになる。これがゴールという結果に結びついていたのなら、アシスト役の長友自身も立場を一層盤石なものにできたことだろう。