課題はハードな守備。乗り越えなければロシアへの道は…
トップ下であれば、ベフェレンでやっているポジションだけに入りやすい。同じベルギー1部でプレーする久保も「亮太くんがいればすごくいいパスが来ると思いますし、いい動き出しをすれば見てもらえるんで、チャンスが作れる可能性が高い」と前向きなイメージを抱いていた。
お膳立てができ、ラストパスが出せて、多彩なパターンで点の取れる身長180cmの大型MFというのは、香川真司(ドルトムント)や清武弘嗣(C大阪)とは明らかにタイプが異なる。そのフィジカル面の優位性を生かすことも、森岡に求められる重要テーマかもしれない。
ただ、ベフェレンと代表では攻守のバランスが大きく変化する可能性も少なくない。クラブではフィニッシャーとしてのタスクが大きいため、下がってボールを受ける回数を極力減らして高い位置をキープしているが、代表では動き方が微妙に違ってくるだろう。特に今回の相手は世界トップの2ヶ国。トップ下であろうとも、守備の負担は大幅に増えるはずだ。
中盤の統率役である長谷部も「こういう強豪相手にこそ、守備的にはなりたくない。ボールホルダーに対して迫力を持ったプレッシャーをかけて、チームがアクティブに連動する守備をしていきたい」と意欲を燃やしていた。
森岡が守備の担い手の1人になろうと思うなら、普段以上に走り回ってプレスに行き、激しいデュエルを見せなければならない。「僕の課題はオフ・ザ・ボールの部分」と本人も高い意識を持っている。今回、長年のハードルを乗り越えるきっかけを手にできれば、ロシアへの道は開けてくる。
4-1-2-3のインサイドハーフであれば、守備面の負担はより一層増えてくる。狙われやすいアンカー脇のスペースを埋めるため、中盤でのアップダウンは当然のごとく求められる。長い距離を移動して初めてゴール前に顔を出すことが可能になるのだ。
森岡はそういったダイナモタイプではなく、この役割はハードルが高いが、周囲と連携しながら臨機応変にバランスや距離感を修正していけば、解決策は見出せるのではないか。