主力として迷いのないプレー。クラブW杯へコンディション維持がカギ
右サイドで連係を深めている本田圭佑【写真:Getty Images】
前節に続き[4-3-3]の右ウィングで起用された本田はライン際でSBのマルティネスと絡みながら、時に中へ流れ、あるいは左のホナタン・ウレタビスカヤとポジションチェンジするなど、68%というボール保持率の試合展開で多様に攻撃に絡み、自陣にブロックを作るケレタロのディフェンスを脅かした。
特に右に流れてきたウレタビスカヤとの細かいコンビネーションから左足のアウトサイドで出した絶妙なパスはウレタビスカヤの危険なラストパスにつながったが、ケレタロCBのイラム・ミエルがGKと交錯しながらクリア。惜しくもゴールはならなかった。
ここまでリーグ戦で3得点、カップ戦で2得点をあげている本田を主力のひとりとして組み込む形で、着実にチームの連係が高まっている。だからこそ本田も流動的に攻撃の起点として振る舞い、味方のボールを信じてゴール前に走り込むなど、プレーの迷いがほとんど感じられないのだろう。
しかし、この日のパチューカには結果が付いてこなかった。結局0-1で敗戦。終わってみれば17位のケレタロにプラン通りに逃げ切られてしまった形だ。90分フル出場した本田はウレタビスカヤが退いた後にセットプレーのキッカーを任されたが、決定的なボールを味方に合わせることができなかった。
この敗戦によりパチューカのリギージャ(リーグ戦の上位8チームによるトーナメント制のプレーオフ)進出は無くなった。メキシコでも最大級の祭典として盛り上がるリギージャを逃したことも残念だが、12月9日にパチューカの初戦(相手はアフリカ王者のウィダード・カサブランカ)を迎えるクラブW杯まで公式戦の日程がかなり緩くなってしまう。
欧州遠征の日本代表メンバーから外れた本田はチームに残り、11月9日のコパMX準々決勝ティファナ戦に臨む。代表ウィーク明けの18日には17/18前期リーグ最終節のアトラス戦を控えるが、ティファナ戦は是が非でも勝利して準決勝に駒を進めたいところだろう。
代表のことを考えれば来年3月までパチューカの主力として良いコンディションを維持していくしかないが、まずはパチューカの選手として晴舞台となるクラブW杯にしっかりと照準を合わせていきたい。
(文:河治良幸)
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