清武弘嗣はセレッソ大阪の初タイトルで決意を新たに、より一層気を引き締める【写真:Getty Images for DAZN】
2017 JリーグYBCルヴァンカップの決勝が4日に行われ、川崎フロンターレを2-0で下したセレッソ大阪が優勝。悲願のクラブ初タイトルを獲得した。
先発フル出場で、後半アディショナルタイムに生まれたC大阪の2点目の起点にもなったMF清武弘嗣は「いつも決勝とか、優勝争いで負けてきたチームだったので、歴史を変えるのは僕たちしかいないという思いを持ちながら今日は戦いました」と、ルヴァン杯決勝に並々ならぬ思いを抱いて臨んでいたことを明かした。
先制点は開始1分経たないうちに生まれた。そこからは川崎Fがボール支配率約70%を保って責め続けていた。「先制が早かったので、試合がどうなるかわからなかったんですけど、明らか左ずっと狙ってきてるなという感じがあった」と清武は語る。
川崎Fは積極的に右サイドバックのエウシーニョや右サイドハーフの家長昭博にボールを預けて押し込んでくる。対するC大阪は自陣に堅いブロックを敷いて耐える時間が続いた。割り切って守備に専念する形にはなったが「正直崩されているシーンは普通に見たらあったんですけど、最後のシュートミスだったり、少しは運があった」と清武は語る。
清武の今季は怪我との戦いだった。夏場に長期離脱を強いられ、リーグ戦で十分に力を発揮しきれず。日本代表も選外が続いている。ルヴァン杯は準決勝までの12試合で3試合しか出場していなかった。
だからこそ「たぶんユンさんも今回の決勝のメンバー選考は、たぶんすごく悩んだと思う」とユン・ジョンファン監督の心情を理解する。ルヴァン杯を主に戦ってきたのはリーグ戦で出場機会を得られない選手たちが中心だったからだ。
「正直ここまでセレッソが激しくて戦える集団になったのは、ユンさんのおかげ、そういう意味を込めて(試合後に水をかけて)喜びました。だけど、僕たちが感謝しなければいけないのはルヴァン組のメンバーがここまで戦ってくれたので、そういうメンバーに僕たちは感謝しなければいけないと思いますし、本当に感謝しています」
感謝の気持ちを胸に獲得した初タイトル。それでも清武は「今年の目標がタイトルを獲るということだったので、まずはそこを獲れてよかったですけど、もう終わったことなので、また次はリーグ戦がすぐ始まる」と、早くもACL出場権獲得を目指すJ1での戦いと準決勝に進出している天皇杯に視線を移していた。
「これから変わるかどうかはわからないですけど、変わるかどうかはこれからの自分たちしだいですし、またこれから(エンブレムにつく)星を増やしていけるのは今いる僕たちしかいないと思う。まだまだタイトルを獲るチャンスは今年ありますし、これからの残り1ヶ月半は、正直(真の力が)試されるんじゃないかなと思います。ここで満足したら終わりですし、正直、今は喜んでいいと思うんですけど、これからまた厳しい戦いが待っているので、これからだと思います」
(取材・文:舩木渉)
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