チームメイトのロランドになだめられるパトリス・エヴラ【写真:Getty Images】
マルセイユに所属する元フランス代表DFパトリス・エヴラは、現地時間2日に行われたヨーロッパリーグ(EL)グループステージ第4節のギラマエス戦の「試合前」に退場処分を受けた。
EL史上初の珍事を招いたのはサポーターとの口論だった。試合前のウォーミングアップ中、アウェイまで駆けつけたマルセイユサポーターの一部がスタンドに設けられた柵を乗り越えてピッチに侵入。選手たちと口論になり、エヴラに暴言を浴びせたとのこと。
それに怒ったエヴラはまさかの行動に出た。サポーターに左足でハイキックを浴びせる。この暴力行為により、ベンチスタート予定だった同選手は試合開始前に退場処分を受けることとなった。
サポーターに対する暴力行為に非難が集中する中、マルセイユのリュディ・ガルシア監督は「彼は反応してはいけなかった」と述べつつ、36歳のベテランDFを擁護する発言を残した。英紙『デイリー・エクスプレス』などが伝えている。
「彼(蹴られた人物)はマルセイユのサポーターではない。なぜなら、サポーターなら自分たちの選手を侮辱できないからだ。皆を後ろから支えなければならない」
もちろんガルシア監督は「パトリスは誰よりも経験豊富な選手」と語り、他の選手の模範になるべき場面で“カンフーキック”を見舞ったエヴラを戒める。
マルセイユはこの事件にあたってクラブ公式サイト上で声明を発表し、「クラブはギラマエス戦のウォーミングアップ中にパトリス・エヴラと個人の口論を把握した。責任の所在を確立するため、内部調査が行われた。どんなことがあっても、プロ選手は激しく、かつ妥当性に欠く挑発や侮辱に直面しても冷静を保たなければならない」と、エヴラへの処分も示唆した。
また「同じようにクラブは、全員がチームをサポートしなければならない時に、自分たちの選手を侮辱する『擬似サポーター』による破壊的な行動のみ、責任を追及することができる」と、試合前の選手たちに対して行動を起こしたサポーターを処分する意向も示している。
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