前線に強烈な選手、中盤には屈強な選手が揃うブラジル
ブラジルについては基本3人で構成される前線について強く警戒しており、メンバー発表の会見で「小さいが速く、方向転換、突破、全てうまい。どのように彼らを抑えるのか」と具体的に言及。
加えてカゼミーロやパウリーニョを擁する中盤についても「フィジカル的にかなり強い選手がおり、しっかりオーガナイズしてくる。組み立てがうまく、ボールを奪うのがうまい」と説明するなど、すでに何試合もの映像をチェックして対策を進めていることをうかがわせる。
ハリルホジッチ監督が試合ごとに設定する「どの高さでブロックを形成するか」という意味ではブラジル戦はアウェイのオーストラリア戦で見せたような深めのブロックを敷く時間帯が多くなるだろう。
そう考えるとボランチを2枚置く[4-2-3-1]を採用し、守備時はコンパクトな[4-4-2]にして前の2枚を起点にカウンターを仕掛ける流れが想定しやすい。そうなると中盤のスペースを埋めながら“デュエル”を発揮できる遠藤航あたりがキーマンになるかもしれない。
ブラジルはこれまでの対戦でも分かる通り、親善試合ですら90分の中でゲームをうまくコントロールしてくる特性があり、ハリルホジッチ監督もそこについてはかなり注意しているようだ。事前の準備は大事だが、試合を進める中での選手たちの判断力や意識共有もより求められる。
そう考えると長谷部の存在は不可欠だろう。[4-2-3-1]の場合はおそらく長谷部と山口蛍のコンビがファーストチョイスだが、ブラジルに対しては長谷部と遠藤のコンビも考えられる。
一方で攻撃にそこまで時間や人をかけられない状況が多くなることを考えれば、高い位置に起点を作り、独力で違いを生み出せる森岡の起用が面白い。1トップはこれまでの起用から順当なら大迫だが、クサビから裏を狙うプレーは興梠慎三も得意としており、ACL決勝の日程を考えてもベルギー戦よりブラジル戦で優先的に使われるかもしれない。
左右のウィングは守備から攻撃へ、短い時間で長い距離を走りゴールを目指せるタイプの選手が重視されるはずで、左は原口元気、右は浅野拓磨がスタメンの有力候補になる。いずれにしてもブラジル戦では通常の試合に増して疲労度が高くなりそうなポジションであり、最も交替カードが切られやすいポジションだろう。