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日本代表 7年前

ハリルJ、メンバー選考の意図。“本気モード”で実用的、世界仕様で問われる真価【識者の眼】

text by 河治良幸 photo by Getty Images

「もしかしたら10回のうち、1回だけ勝つチャンスがあるかもしれない」

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「私の中では世界の2強国ととらえている」と評価する相手との連戦について、世間的に大敗を予想する声もある。むしろ、ここで強国との差を見せ付けられた方が本大会に向けて多くの課題が明確になり、本大会に向けてプラスになると言う意見も目にする。

 実際に予選突破したオーストラリア戦の後に、酒井宏樹が11月の2試合についてこう語っていた。

「いいチャレンジの場なので、悪いことが出た方がいいと思いますし、もっとトライして、こういうところもあるんだというのを再確認できればいいと思いますし、色んな失敗をすればするほど修正できる時間もあるので。本大会で結果を出せることが大事」

 今あるベストをぶつけて、本大会に向けた課題を確認できる絶好の機会と捉えれば、どんな結果であれポジティブに受け入れることができるが、ハリルホジッチ監督のスタンスを考えれば、現時点でも大敗は考えにくい。

 なぜならば相手に関係なく固定的なスタイルをぶつけるのではなく、相手のスカウティングに基づいて対策を立て、長所を消し、弱点を突く戦い方を選択するからだ。

「もしかしたら10回のうち、1回だけ勝つチャンスがあるかもしれない。そういった1回にしたい。そういう準備をしたい」と語る指揮官は2つの試合を異なるオーガナイズで臨むことを示唆している。ともに“格上”の相手となるが、それぞれ特徴が異なり、対策もまた違ってくるためだ。

 もちろん、その中で国際経験や代表キャップの少ない選手を起用すれば未知数の部分は大きくなる。実際にそうした選手は強豪国を相手に実力を発揮できるか試されるが、あくまで今回のメンバーでできる勝利のための対策を施して、そこから得られる内容や結果を次につなげていくということになる。

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