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長友佑都 7年前

長友佑都、体現される充実ぶり。前半苦しむも後半に立て直し、確信があればこその修正力

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

苦しい試合のなかで果たした貢献

インテルを率いるルチャーノ・スパレッティ監督
インテルを率いるルチャーノ・スパレッティ監督【写真:Getty Images】

 ロムロが攻め上がってきても、きっちりコースを切って立ちはだかり、ボールを絡め取ってクロスを許さない。アレッシオ・チェルチが裏のスペースに切り込んで来ても、冷静に対処した。75分、エリアの中に入ってきたそのチェルチに対し、コンタクトを恐れずしかもノーファウルでボールを奪い大きくクリア。

 前節のサンプ戦後、長友は「コンディションが良くて、自信を持ってプレーしているぶん遠くが見えている」と語っていた。今回は培われた自信というものが、集中力があり落ち着いていた後半の守備に発揮されたということなのだろう。しかも前半の良くないプレー内容から修正した上でのこと。自らのコンディションや戦術理解に対する確信があればこそ、何をすべきかがちゃんと見えるのだろう。

 そんな長友の姿勢は、応援にやってきたインテリスタたちにも理解されていたようだ。アディショナルタイムで相手ボールをカットし、プレースを掛けてきた敵をかわしドリブル突破を猛然と図った長友に対し、アウェイ席からは歓声と拍手が上がっていた。

 チームは2-1で勝利。ビルドアップのミスからPKを献上し一度は追いつかれるなど、チームとしても内容の良くない試合だったのだが、試合後にスパレッティ監督は「チームとしての確信がまた伸びた。全てに渡って良い試合だった」とあえて褒めた。苦しい試合でもものにできる自信の高まりを評価していると解釈できる。

 今回の試合で、長友が果たした貢献はそういったところにあった。セリエAの上位争いは、近年になく熾烈なものになっている。チーム共々確信をさらに深め、素晴らしい結果を出せるかどうかに注目したい。

(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

【了】

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