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長友佑都 7年前

長友佑都、出色の働き。交代時は地元ファンの大拍手。さらに高まるインテルの完成度

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

スタンディングオベーションに迎えられた長友

インテルの長友佑都。傑出したパフォーマンスに地元ファンも大きな拍手を送った
インテルの長友佑都。傑出したパフォーマンスに地元ファンも大きな拍手を送った【写真:Getty Images】

 そしてこの3試合すべてで先発出場した長友は、サンプ戦でも出色の働き。前節はカジェホンを見事に抑える一方で攻撃ではパスミスも散見されたが、今回は攻撃でも魅せていた。

 クロスは意外にも0本。しかしこの試合で効いていたのは30m強のミドルシュートの他に、ペリシッチやイカルディを狙った縦へのミドルパスだ。「コンディションが良くて、自信を持ってプレーしているぶん遠くが見えている」と彼は試合後に言った。縦パスを受けたペリシッチがシュートへと持っていった13分のプレーが典型的だが、速攻の起点となろうとする積極性がこの日はあった。

 通らないものも数本あったが、意図のはっきりとしたプレーは試合の駆け引きを助ける。

「通らなくても相手がすごく嫌がる。相手が戻りながら、ディフェンスをしなきゃいけない。そこでチャンスもたくさん作れるし、チームも押し上げられる」

 長友はそのように語っていた。

 その「相手がすごく嫌がる」という部分が最も分かりやすく表れていたのが、29分のプレーだ。長友はイカルディを走らせようと、前線左のオープンスペースにミドルパスを入れる。これにイカルディが反応しフリーで走り込むと、相手GKのクリスティアン・プッジョーニが慌てて飛び出しクリア。ただ慌てた結果、不正確なクリアボールが中盤のペリシッチに。ループシュートを放たれ、辛くもポストに当たった。

 もちろん守備でも、後方に戻りながら冷静にスルーパスをカットした14分のプレーなど、前節同様の集中力を見せた。チーム同様終盤に押し込まれながらもまとめ切り、84分にスパレッティ監督から「ヘディングの強い選手を入れたかった」という理由でサントンとの交代を命じられる。その時、54451人の観客はスタンディングオベーションで長友を迎えた。

 4月30日のナポリ戦で、自身のミスにより決勝点を献上した時は苛烈なブーイングにさらされた。しかし前節のナポリ戦でFWホセ・マリア・カジェホンを止め、この日も良いプレーをしていたことで今度は大きな拍手。

「昨シーズン自分のミスで負けたっていうのが自分の中でずっと引っかかっていた。悔しさを覆すのはナポリ戦でしかないと思っていた」

 それがパフォーマンスを通して地元のファンに伝わっていたことは、本当に良かった。

(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

【了】

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