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長友佑都 7年前

長友佑都、出色の働き。交代時は地元ファンの大拍手。さらに高まるインテルの完成度

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

序盤から飛ばすゲームプランを立てた代償

 そのサンプをインテルは前半、序盤の数分間を除き敵陣内に釘付けにした。メンバーの入れ替えで連係が途切れるのを嫌ったのか、スパレッティ監督は中2日にもかかわらずナポリ戦と同様の布陣を送り込む。

 そしてエネルギーを消耗していたはずの彼らは、プレーの激しさでサンプを圧倒。2ボランチは相手より一歩早くプレスを掛けてボールを奪い、ボールを奪えば相手よりも早いテンポでショートパスが交換される。

 右サイドはアントニオ・カンドレーバとダニーロ・ダンブロージオが細かい連係で縦を破り、左サイドでは長友佑都が縦パスでイバン・ペリシッチを走らせてスペースをえぐる。トップ下のボルハ・バレーロは巧みなボールコントロールでプレスを無力化し、左右に流れてチャンスを創出した。

 そして、これまで高い完成度のサッカーを披露していたサンプは瓦解する。18分、CKの守備でミラン・シュクリニアルをエリア内でみすみすフリーにしてまず1点。32分の2点目はインテルがひたすら波状攻撃を浴びせてCKを連続して取った流れで、振り回された挙句にゴール前にサンプの守備陣はマウロ・イカルディをフリーにした。

 インテルは55分、すっかりチームのお手芸となりつつあるロングレンジの速攻から決勝点となる3点目を奪った。ここから2点を奪われたのは、ゲームコントロールの上で確かに失態である。ただスパレッティ監督がサンプを警戒し、序盤から飛ばすゲームプランを立てたことの代償と考えれば、仕方のないところだろう。ちょうどCLマンチェスター・シティvsナポリ戦で、前半にナポリを畳み掛けたシティがペースダウンしたのと図式は似ている。

 ともかく前半、インテルの選手たちが何の躊躇もなくダイレクトパスを交換していく様子には、ミラノダービーやナポリ戦を通して深めた確信のようなものも感じられた。厳しいカードが3試合あったこの9日間で、インテルはさらに完成度を高めた。

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