昨季終盤の連係を彷彿とさせた香川のゴール
さらに後半開始早々の47分、ダイナミックなカウンターを仕掛けるドルトムント。イサクは、ロングボールのターゲットになっただけでなく、貪欲に前へ走り続ける。香川がヘディングで送ったボールをヤルモレンコに渡して、最後はフィリップのパスをきっちり決めきった。
スウェーデンからやって来た新参者は、巡って来たチャンスを逃さなかった。きっちり結果を出し、低迷していたチームを再び盛り上げた。試合後、指揮官はイサクの1G1Aを次のように讃えている。
「ハーフタイムの前の1-0とその直後の2-0は、我々を本当に助けたね。その上、その後に我々はいいフットボールをした」
そして74分にヤルモレンコがPKを決めて3-0となった時点で、勝敗は決したも同然だったが、“もう1つの1G1A”が、マクデブルクに追い討ちをかけた。79分、バルトラがヘディングで4点目となるゴールを決める。左サイドからクロスを上げたのは、香川だ。
最後の止めは90分。背番号23は、ペナルティエリア手前のヌリ・シャヒンにパスを入れて、ゴール前に走り込む。シャヒンからフィリップと繋がったボールを受ると、切り返してDFをかわし、左足で5点目を奪った。
一連のコンビネーションの最初には、この試合で復帰したラファエル・ゲレイロも絡んでいる。マルコ・ロイスも含めた昨季終盤の連係を彷彿とさせた。敵はほとんど消耗し切っていた中での得点だったが、今後に向けて、BVBの攻撃バリエーションが1つ増えた格好だ。
5-0でマクデブルクに勝利したドルトムント。“新旧”が融合した。新星が結果を出してチームは活性化し、ベテランが締め括って、ポカールの3回戦に進んだ。
(文:本田千尋)
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