ネイマールは退場も…終了間際にカバーニの同点ゴールが
残り時間はおよそ10分。すでにモッタに代えてドラクスラーを投入し、攻撃に比重をかけていたPSGのエメリ監督は、ボールを失いがちだったムバッペに代えてディ・マリアを入れ同点ゴールを狙いにいく。
しかしそのPSGにさらに予期せぬ出来事が。ネイマールがマルセイユのMFサンソンとの接触でイエローカードを受けると、その直後、仕返しがごとくサンソンに小突かれるが審判はこれを無視。
この試合、ネイマールは序盤からマルセイユの選手に押されるは小突かれるは蹴られるは、全身アザだらけであろうという扱いを受けていた(この試合だけじゃないだろうが)。
何度かネイマールは主審に申し入れていたが、事態は変わらず、思うようにいかない試合展開もあいまって熱くなっていたところで、オカンポスに後ろから倒されると、立ちあがった瞬間突発的にオカンポスを突き飛ばした。両軍の選手たちも熱くなってもみ合いに。
ビュケ主審は後方からタックルをかけたオカンポスにイエローを出したあと、ネイマールにもイエロー、続いてレッドを提示した。
その瞬間ネイマールは笑った。おそらく「まったく冗談じゃないぜ、ふんっ」という笑みだろう。大喜びするスタンドの歓声を浴びながら、ネイマールはまっすぐドレッシングルームに消えていった。
残り3分でエースを失ったPSGだが、こういう時はどういうわけか数的不利になったチームに運命が味方するケースが多い。「ハンディをはね返さねば!」というプラスαのモチベーションが生まれるからかもしれない。
その例にもれずPSGは、ロスタイムにカバーニが直接ゴールを狙える絶妙な位置でファウルを(意図的に)ゲットすると、本当にFKからゴールを決めて、劇的なドローをもぎとってしまった。敗戦からチームを救ったヒーローとなり、ちぎれんばかりのガッツポーズで喜びを爆発させるカバーニ。
試合後酒井は、あのロスタイムの場面を、「守れる自信はありましたけど、FKになったとたん、嫌な予感はかなりしましたね。あの位置でPSGのストライカー相手のFKでは、70%ゴールですよ……」と振り返った。