再建中インテルにとっては価値あるドローに
後半になるとインテルは、ベシーノの活躍でさらにチャンスを作った。長身ながらスピードに技術、運動量を兼備するウルグアイ代表は、自陣の守備から攻撃のたびごとに50m以上の距離を連続して疾走。48分には右サイドを破った末にGKを釣り出し、無人のゴールへボールを放った。
しかし、ここで粘りを見せたのがナポリの守備陣だ。ラウル・アルビオルは、ベシーノが作った上記のピンチをゴール寸前で掻き出し、その後もママドゥ・クリバリとともにゴール前を死守。果敢にオーバーラップをしていたヒサイも精力的に戻り、カバーリングを行う。攻撃ばかりが注目されるが、守備が堅いのもナポリの強さの一つである。
こうして互いが良いところを出し合った試合は、終盤になっても攻守が激しく入れ替わる。力を出し惜しみせず走る選手たちに、両監督は疲労度を優先に考慮した交代策でそれぞれのチームを支える。試合終了間際にはミランダがメルテンスに対するボールの処理に失敗し、あわやオウンゴールとなるキックを放ったが、サミル・ハンダノビッチが見事な集中力で外へと弾いた。死闘は両雄相譲らず、ドローで決着した。
開幕からの連勝が8で止まったナポリだが、やはり完成度が高くて強いチームであることを内容では誇示。一方新監督のもと再建中のインテルにとって、そんなナポリと互角にやり合って得たドローはやはり価値のあるものだろう。