ミランを封じたインテルの守備。それをあっさり凌駕したナポリ
【ナポリ 0-0 インテル セリエA第9節】
試合終了後、ナポリとインテルの両選手はピッチのあちこちで握手や抱擁を交わし、互いの健闘をたたえ合った。一時期フィオレンティーナなど、一部のクラブがラグビーのノーサイドにならって健闘をたたえ合う時間を設けたことはあったが、それが自然発生的に出てくるのはセリエAではそうないことだ。
まさに、それだけ両チームの選手たちが全力を注ぎ、フェアに闘い抜いたことの証しである。8連勝のナポリ、7勝1分のインテルが相見えた首位対決は互いにゴールこそなかったが、90分間に渡って激しく攻守が入れ替わる熱戦となった。選手個々という技量という観点でも、またチームの組織戦術という観点でも、レベルの高いプレーの応酬だった。
インテルのルチャーノ・スパレッティ監督は、前節のミラノダービーのスタメンを踏襲した。綿密に作り込まれた守備組織で前半はミランの攻撃をほぼ完璧に封じた彼らだが、ナポリはそれをあっさり凌駕しチャンスを作った。
左サイドではロレンツォ・インシーニエ、マレク・ハムシク、そしてファウジ・グーラムの3人が三角形を組み、ショートパスを回してポジションを入れ替えながら、インテルの守備陣を振り回していく。
右サイドでは20分、エリセド・ヒサイがオーバーラップして長友佑都を釣り出し、フリーになったホセ・マリア・カジェホンがシュートを放つ。ボールを奪われてもカウンターを許さず、激しいハイプレースで後方からのビルドアップを許さない。17日のCLマンチェスター・シティ戦で気後れした結果相手に押し込まれ、前半30分までの間に2失点の惨劇を喫した彼らは、見事に気を締め直していた。