香川が痛感した「勝ち切ること」の重要性
ドルトムントの守備陣について、長谷部は次のように感じている。
「とにかくドルトムントはここ連戦でかなり疲れているなっていうのも感じましたし、メンバーもかなり後ろも変わって。まあ守備もそんなに良くないっていうのは今日見てもやってて感じました。ちょっとドルトムントは今ここ1週間、2週間そんなにいい状態ではない時に当たったんでね。より、こういう時だったから勝ちたかったなというのがありますけど」
香川真司にとっては、難しい試合展開となった。投入された直後の自身のスタンスとしては「3点目を狙いにいく姿勢」があったという。
「2-0の段階で入ったので、しっかり中盤をコントロールしながら、3点目を狙いにいく姿勢で、あとは中盤でどれだけいい守備をできるかっていう意味で、入りました」
しかし投入された後にチームは2点を返されてしまう。背番号23は、「しっかり中盤をコントロール」しようと精力的にピッチの上を動いた。だが不安定な守備陣と、2つの失点で、ドルトムントのパフォーマンスは混沌としていた。3点目を奪うことは難しかった。
「ここが踏ん張りどころというか、怪我人も多いですし、出場停止選手も含めて、今日もディフェンスラインほとんど変わったりして、もちろんアクシデントであったり、上手くいかないのは当たり前だと思っていたので。ただ、その中でも勝ち切りたかったというのはやっぱり1つチームとしてありますし、やられるのはしょうがないなというのは、ある程度、これだけ変わればね、代表もそうだけど、やはりメンバーが代わればどれだけ難しいかというのをあらためて感じましたし。そこはチームとして受け止めていく必要はあるとは思います」
香川は、ディフェンスラインのメンバーが変わったことで、「アクシデントであったり、上手くいかないのは当たり前だと思っていた」。それでも“勝ち切ることの重要性”を、2-2に終わった試合の後で、長谷部と同じように語っている。
チームの調子が悪くとも、接戦をモノにできるかどうか。ドルトムントにとっても、これから先に「上に行けるか行けないか」という意味で、重要なテーマと言えそうだ。
(取材・文:本田千尋【フランクフルト】)
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