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香川真司 7年前

香川真司を復調のきっかけに。「自由」に縛られるドルトにオススメの起用法

ボルシア・ドルトムントが調子を落とし始めた。原因はボス監督が与える自由度の高さからくるものかもしれない。21日のフランクフルト戦では香川を右インサイドハーフで起用してみてはどうだろうか。(取材・文:本田千尋)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトムント失速の理由

香川真司
香川真司、フランクフルト戦の出場は…【写真:Getty Images】

 失速気味のボルシア・ドルトムント。1.FCケルン、ハンブルガーSV、ボルシアMGといった古豪を寄せ付けず、3連勝を飾った9月半ばの勢いが衰えてきている。10月14日、ブンデスリーガ第8節でRBライプツィヒに2-3で敗れると、17日のチャンピオンズリーグは敵地でAPOELニコシアに1-1と痛恨のドロー。勝ち点の獲得は1にとどまり、決勝トーナメント進出は難しくなった。

 停滞の要因はどこにあるのだろうか。直近の2連戦に限って振り返れば、対戦相手が引いて守備ブロックを固め、カウンター主体でくるため、まずプレッシングを機能させることができなかった。

 BVBのボール支配率を参考にすると、RBライプツィヒ戦では66%、APOEL戦では72%を記録。ユルゲン・クロップのDNAを受け継ぐドルトムントのサッカーは、プレッシングでボールを奪い、失ったとしても奪い返すゲーゲンプレッシングで試合中にリズムを掴んでいく傾向がある。しかし、自分たちがボールを保持する時間が長くなってしまえば、そうした“前提”を成立させることは難しくなってしまう。連動して圧力を掛けて奪う対象のボールが、敵ではなく味方の足元にあることの方が多いからだ。

 また、攻撃面においては、ペーター・ボス監督に与えられた“自由”を、このところは選手たちが上手く使いこなせていないようである。ブンデスリーガ開幕前の8月12日、DFBポカール1回戦。1.FCリーラジンゲン・アーレン戦の試合後、香川真司は新監督の戦術について言及していた(※当時のコラムを参照)。背番号23によれば、前監督に比べ、ボールを奪った後の攻撃に関して自由度が高いのだという。トーマス・トゥヘルと違って、ポジショニングも含めて、シチュエーション毎の縛りがあまりないのだそうだ。

 そうした選手たちの自主性を尊重する攻撃プランが上手くハマったのが、6-1で大勝した9月23日のボルシアMG戦ということになるのだろう。しかし、即興性の色合いが強いため、個の力=ウインガーの突破力に頼りがちになってしまう。ボルシアMG戦ではマキシミリアン・フィリップが躍動。対面するDFの守備力が相対的に高くないブンデスの中堅クラブ相手には、押せ押せのサッカーを展開できる。ところがCL出場チーム、特に決勝トーナメント進出を狙えるチーム相手になると、敵のDFや守備組織のレベルも上がるため、行き詰まってしまうようだ。CLも戦うRBライプツィヒは17日にポルトに3-2で勝利。グループGで2位に付けている。

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