顕著な指導者不足。次期監督は? 希望は来年開幕の新リーグに
ロナルド・デ・ブールはオランダ代表の次期監督について、こう記している。
「アドフォカート現監督は、アシスタントコーチを務めていたルート・フリットに任せたいようだ。その場合、ルートにはエリック・テン・ハーフ(現ユトレヒト監督)のような戦術コーチをつけないといけない。ルートがこれを飲まなかったら、自分なら外国人指導者から探してみたい。とりわけトーマス・トゥヘル(無所属)、ユリアン・ナーゲルスマン(ホッフェンハイム)といったドイツの新世代の指導者たちだ。しかし、実際には彼らは毎日トレーニングピッチに立つクラブ向けの指導者のように思える。代表チームの監督ならフィリップ・コクー(現PSV監督)はひとつのオプションになるだろう」
来年3月に予定されているイングランドとの親善試合はアリエン・ロッベンの代表引退セレモニーを兼ねることが濃厚だ。「ビッグ4(ロッベン、ファン・ペルシ、スナイデル、ファン・デル・ファールト)+1(カイト)」の時代が完全に幕を閉じる。次のスーパースターが現れるまで、オランダ代表はよりグループ戦術を重要視し、コレクティブに戦い続ける必要がある。
今回のW杯予選では敗退に終わったオランダだったが、最後のスウェーデン戦で2-0の勝利を収めたことにより、来年9月からスタートするUEFAネーションズリーグのディビジョンA(トップリーグ)に滑り込んだ。つまりUEFAに加盟する55の国と地域のうち、オランダはトップ12というエリートグループに入ったのだ。
もちろん、オランダはその中のアンダードッグだ。それでも、相手チームだってオランダと戦うのはいつも不気味だろう。UEFAネーションズリーグが始まる11ヶ月後には、暗黒時代に陥ったオランダサッカー界の喪が明けていることを祈りたい。
(取材・文:中田徹【オランダ】)
【了】