「オランダはフットボールの小国になった」
『フットボール・インターナショナル』誌の10月12日号は、まるで喪に服すかのように、表紙が真っ黒だった。そこにはKNVBのシンボルであるライオンと「オランダはフットボールの小国になってしまった」という白抜きの文字だけがあった。
2010年南アフリカW杯で準優勝、2014年ブラジルW杯で3位に輝いたオランダ代表はこの4年間で一気に凋落し、2016年EURO、2018年ロシアW杯と2大会続けてビッグイベントへの道を断たれてしまったのだ。
巻頭言で同誌のクリスチアーン・ルーシンク編集長はロッベンの後継者不在を嘆く。
「オランダ代表のアイコンだったルート・クロルが1983年、欧州選手権の予選で負けて代表を引退した時、すでにロナルド・クーマン、ルート・フリット、マルコ・ファン・バステン、ビム・キーフト、フランク・ライカールトといった次世代の選手たちが育っていた。それはフランク&ロナルド・デ・ブール兄弟、フィリップ・コクー、パトリック・クライファルトの時代が終わる時にも同様で、ラファエル・ファン・デル・ファールト、ウェスリー・スナイデル、ロビン・ファン・ペルシ、アリエン・ロッベンが次の時代を引き継いでいった。そして今は静かだ。悲しいくらいに静かだ」
一方、「タレントはいる」と記したのは、現在は評論家として活躍するロナルド・デ・ブールだ。
「ユスティン・クライファルト、マタイス・デ・リフト、ドニー・ファン・デ・ベーク、フレンキー・デ・ヨング(以上、アヤックス)、ケニー・テテ(リヨン)、ティモシー・フォス・メンサー(クリスタル・パレス)、メンフィス・デパイ(リヨン)、アンワル・エル・ガジ(リール)、スティーブン・ベルフワイン(PSV)、リシェドリー・バズール(ウォルフスブルク)、リック・カルスドルプ(ローマ)。そして、残念ながら今は重傷を負ってしまったけれどカルバン・ステングス(AZ)といったタレントがオランダにはいる」